こばっかいの算数
先日来、嫁さんがこばっかいの図形を教えるのに苦労していた。こばっかいは6年生だが、図形は今まであまり勉強していないので、復習を兼ねて5年生の問題集をしている。つまり1学年下のものなのに、「これがどーしてわからないの?」と嫁さんはなげくしこばっかいは困った顔でうつむいてしまう。
小学生ではあるが、苦悶、もとい公文で方程式を少しかじっているので、未知数をxなりとして計算することはできる。だったら、わからないけど必要なものを適当な文字に置いて問題を式形式に書き換え、あとは式の代入その他の機械的操作で解くほうが簡単なんじゃないのかなぁと思った。
昨日、さんざっぱら苦労していた問題を例に式のたて方を説明してみると、このほうが分かりやすいという。次の問題は、同じようなやり方でさっと解いた。そのあたりで私は引っ込み、1時間ほどして出てみると、またも、嫁さんとこばっかいのにらめっこになっている。問題を見ると、1時間前に解いた問題の次の問題(--;) (一応、ずっとやっても息がつまるから、途中、ほかの問題をやったりはしていたとのこと)
「あなたが教えてみてよ」と言われ……こっちの三角形の面積が分かっていて、こっちの三角形の面積を出せってことね。三角形の面積は底辺×高さだよね。面積が分かってる三角形の底辺はここだと考えると、ここが高さってことになるよね(頂点から底辺の延長上に垂線を下ろす)。面積を求めたい三角形の底辺はここ、高さは……こうっと(同じく頂点から底辺の延長上に垂線を下ろす)。面積が分かってる三角形と分からない三角形の底辺は2LとL(問題文に与えられている)。あとは高ささえ分かればいい。どうなる?と聞くと、面積が分かってるほうがh、分からないほうが2hだという。そしたら、あとは式を書いて計算するだけじゃん?
と、こんな感じで、5分もかからず問題終了。なんだか、その部分(1)を解く途中で(2)の答えも出てしまったそうで。
その計算をこばっかいがしている横で親同士が会話。以下、(ば)はBuckeye、(世)はBuckeye・こばっかい・にこばっかいの3ばっかいの面倒を見る「ばっかいずお世話係」を自認する嫁さん。
- (世)
- 直角書くなんて、その発想、私にはないわ。
- (ば)
- というと?
- (世)
- そんなの使わなくても、比ででるじゃない。
- (ば)
- 比でやると頭の中の操作が増えて大変。だから、具体的な形に落として簡単にするんじゃん。
- (世)
- いや、そもそも比っていうのは具体的な話を抽象化するものなのに、それを具体的にするなんて……比と相似だけで、この二つの三角形、面積が同じってすぐにわかるじゃん。
- (ば)
- って言われてもねぇ……
- (世)
- △DEFと△ECFは2:1でしょ? で、△AEDと△ECFは相似だから△AEDは4。で、△ACEと……
- (ば)
- (+。+)? ごめん、話についてゆけない。
- (世)
- ……(--;) △DEFと△ECFは2:1でしょ? △AEDと△ECFは相似だから、面積は4:1。つまり△DEFを2とすれば△AEDは4(私は最初の△DEF:△ECF=2:1をここまで覚えておくことができないので、なぜ△DEFを2とすれば△AEDは4になるかが一瞬、理解できない)。で、△AEDに対して△ACEは半分なんだから、△DEFと同じでしょ?
- (ば)
- ……なんで、面積が分かってる三角形と面積を求めたい三角形以外の三角形を経由しなきゃいけないの?
- (世)
- だって、一本道でそれが一番簡単じゃん。それをなんでわざわざ直角に補助線なんか引かなきゃいけないの?
- (ば)
- いや、面積なんだから、底辺と高さを考えるのが基本じゃん。で、垂線は高さを目に見える形にしただけじゃん。そらぁ、比で出るってのはそうだろうとは思うよ(比の問題なんだし^^;)。でも、どこをどう経由したらいいかなんて、分かる人には簡単かもしれないけど……
- (世)
- 簡単じゃん。
- (ば)
- ……
- (世)
- 一本道じゃん。問題読んだ瞬間、それしかないじゃん。そういう問題じゃん、コレ。
- (ば)
- ……
- (世)
- ほかにどうしろと? 私、小学生時代からほかの考え方、したことないし。コレですぐにわかっちゃうから。
- (ば)
- ……
いや、なんかずいぶん前から苦労してるなぁとは思っていたが、こういうことだったのね。「ほかにどうしろと?」と言われても、「分からない人にどうしろと?」って感じ。こばっかいは、記憶力がどうにもわやなところとか、中身のほうはもろに私を受けついでるから、私と同じように感じるのではないかと思う。
子どもの教育的な話は嫁さんのほうが熱心というか、私はすぐに「そんなにしなくてもいいんじゃな~い~?」とか「週に1日くらい、勉強しなくてもいい日があったほうがいいじゃん」などと言い出すので、子どもの勉強にクチをはさむなという無言のプレッシャーをうけ(「なんだこのプレッシャーは? 怒髪天か??」……声はハマーンのプレッシャーを感じたシャアあたりでよろしく^^;)、なるべく口を挟まないようにしている。今回はそれが裏目に出たということかも。
それにしても……嫁さんと私は大学同窓。入学は両方とも理系(私はそのまま工学部卒、嫁さんは在学中に文転)。価値観、考え方など似ている面も多い。それでここまでデキが違うとはねぇ。数学で入試を突破した嫁さんと、数学の穴を理科と英語で埋めて突破した私の違い、ということか。まあ、嫁さんはまんべんなくできる優等生タイプ、私はできるところとできないところの差が激しいタイプだってのはわかっていたけど、さ。
| 固定リンク
「雑記-家族」カテゴリの記事
- 子どもたちが通った小中の教頭先生のお疲れさま会(2024.09.22)
- 2024北欧旅行――ベルゲン→東京(2024.09.06)
- 2024北欧旅行――ベルゲン~フラム~ベルゲン(2024.09.05)
- 2024北欧旅行――ベルゲン(2024.09.04)
- 2024北欧旅行――オスロ(2024.09.03)
コメント
ああ、ちなみに、「怒髪天」というのは嫁さんの別称です。登場時にかかるテーマソングもあります(^^;)
昔からの知り合いはご存じのことですが……
投稿: Buckeye | 2008年11月20日 (木) 21時48分