芝浦工大ロボットセミナー全国大会-優勝&準優勝
■芝浦工大ロボットセミナーについて
2~3日かけて足で歩くタイプのロボットを作り、作った(かつ改造した)ロボットでバトル大会をするというもの。メインのボクサーロボ(6足)は年間50回前後とのことで、参加者総数は1000人ほどもいるだろうか。全国大会に出場できるのは各セミナー会場におけるバトル大会の上位3台ほど。
ウチは、今年2月にこばっかい(当時小5)が6足歩行のボクサーロボ、にこばっかい(当時小4)が4足歩行のタスカーロボに参加。なお、タスカーロボのセミナーは親子参加であるが、ウチは、親のかわりにこばっかいがつきそった(私も一応、わきに待機)。こばっかいはその前年にもボクサーロボのセミナーに参加しており、改造を含め、なんども組みたてたりバラしたりしたのでなんとかなると判断したため。
結果……二人とも全勝で予選リーグを勝ちぬき、決勝トーナメントも勝ちぬいて優勝。兄弟そろって全国大会への出場権を獲得した。
そして……今日が全国大会。
■全国大会に向けた準備
この日に向け、夏休みに改造にはげみ、9月中にはマシンを安定させて、10月は操縦練習をするはずだったのだが……夏休みは何もせず、9月は「やる・やる」と言いつつ、目はうつろ、手は動かず(--;) 10月に入ってようやくエンジンがかかるが……アイデアとイメージだけで具体的なところが何も決まっていないものだからなかなかペースがあがらない。結局、にこばっかいがマシンをいじらなくなったのが大会の数日前、こばっかいにいたっては、当日の朝になっても細かい部分を変更するため足をばらして組み直す始末。
それはともかく。
私がマシン、2台を持って会場に向かう。子どもたちは明日の文化祭最終準備があるため、学校に顔を出してから早退することになっているのだ。
■マシン検定で大問題が……
芝浦工大について、まずはマシンの検定(レギュレーションに適合していることを確認)。
にこばっかいのマシンは一発で通った。タスカーっぽくない形状(ボクサーでよくあるタイプ)だったので、「これ、タスカーですよね?」と聞かれひっくり返して中身を見せたりという一幕はあったが。
問題はこばっかいのマシン。全国大会で大きく変わったレギュレーションに抵触しそうな改造があるのだ。「このルールなら大丈夫だよね」と聞かれると、「文言を素直に読むかぎり、いいことになるね」と答えざるをえない内容。ただ、法の精神というか、そういうルールがある背景を考えると、一線を越えているのではないかと思い、「最悪、失格になるかもしれないけど、それでもやりたいか」と確認した上で改造につきあったという経緯がある。特に足については、去年の秋、全国大会のあと、芝浦工大の学園祭で見たかわさきロボットにヒントを得て以来、1年がかりで折々、取り組んできたもの(何もしなかった時間のほうが長いのは確かだが……^^;)。やりたいという気持ちはわかる。電源も、前々からやってみたいという話はあったが、旧レギュレーションでは明確に禁止されていたのでできなかったのだ。
結果……足と電源、両方ともアウト。特に足は「ここまでやりましたか。これが出てくるのを一番おそれていたんですが……」という内容。
「ノーマルに戻してください。工具やパーツなどは修理コーナーのものを使って構いません。時間が足りないのは、修理コーナーの人に手伝わせます」とのこと。
いつもなら「お前のマシンなんだからお前がやれ」とどうしてもできないものでない限り手を出さないのだが、今回は例外。こばっかいが到着してからでは時間が足りないし、出場できるかできないかの瀬戸際なので。
結局、開会式の間、修理コーナーの人、3人と私、4人がかりで足をほぼノーマルに戻す(ノーマル系ならこうしようという話を前にこばっかいとしていたので、そういうパターンにはした)。開会式中で足の組み替えはなんとか終わったが……マシン全体がサイズ制限を超えてしまった。足の改造で背が変わり、それに合わせて改造したパーツがあるのだが、背を元に戻したとき、そこがサイズ制限からはみ出してしまうのだ。元に戻せばいいのだが、問題はどうやって戻すか。古いパーツは持ってきていない(会場にきて足の組みかえをするとは思わなかったので)。ステーのねじ穴、4個のうち、2個だけ使う形でずらせばなんとかなるんじゃないかというアイデアが出た。ずらすとサイズ制限にはギリギリはいるようになったが、歩かせてみるとステーが床にぶつかる。ここも背が変わったときに改造した部分。ねじ穴を開け直す必要があるが、ドリルはないという。
足については、手伝ってくれた修理コーナーの人たちからも、「ここまでやりましたか。こんなに頑張ってきたら、このままやらせてあげたいけど……仕方ないねぇ」と言っていただきました。
電気関係は、念のため、私が最後に両対応に再改造し、ビニールテープを巻きつける場所を変えるだけでノーマルに戻るようにしてあった。
このあたりでこばっかいたちが到着。「古いステー、持ってきてないよね?」「あるよ。おとーさんに渡したフタの中にあった」「あれ、なんかゴミゴミ入っていたから置いてきた(--;)」。さあ、どうしよう。「ステーをかなり無理矢理に改造すれば、一応は走れるようになりそう。だけど、あれやらこれやらの問題が出る可能性もある。やってみてアウトだったらもう打つ手がない。どうする?」と聞くと、「それでいい。ダメになったら仕方ない」との答え。それならと2mm厚のアルミ板で作ったステーをラジオペンチ(普通のペンチがなかった)で無理矢理曲げて整形。長すぎる部分は、ラジオペンチで何度も折り返し、金属疲労をおこさせて折り取る(ひでーやり方--;)
サイズはギリギリ、ステーも床に触らなくなった。ただし、シャベルを持ち上げたときの位置が昔と違い、ちょっと不利な位置になってしまう(心配したとおり)。でも、使える道具と材料からはこれが限界。時間ももうない。これでいいことにして、マシン検定をしてもらい、お昼を食べにゆく。
お昼は、同時に開催されている学園祭の模擬店。嫁さんが買っておいてくれたやきそばをかき込んで会場にとって返す。ほかの人たちはもう、デザインコンテストの会場からマシンをとり、バトル会場に入っていた。ホント、ぎりぎり……(--;)
■バトル大会
バトル大会は、小学生と中学生がわかれ、ロボットの種類ごとに戦う。予選は5人を目安にグループわけしたリーグ戦。勝てば3点、引き分け1点、負ければ0点。総合点数でリーグ内順位を決定し、各リーグの1位が決勝トーナメントに進出。決勝トーナメントは引き分ければ再試合を行い、2回の再試合でも決着がつかなければマシン重量を計量し、軽いほう(不利なほう)を勝ちとする。
デザインコンテストもあるので、いろいろと楽しいマシンも多い。勝負重視、機能性重視のマシンもある。我が家は、二人とも勝負重視型。
●タスカーのデザイン部門で入賞したマシン(きつねさんのほう)
●ボクサーのデザイン部門で入賞したマシン(名古屋城のほう)
予選リーグは、ふたりとも落ち着いて操縦し、順調に勝ち進む。
まずは試合進行が早かったにこばっかいがリーグ全勝で決勝トーナメント進出を決める。タスカーは足の構造がシンプルであるため、適当に操縦すると歩けたり歩けなかったりする。歩けなくなったらちょい調整してやる必要があるのだが、これに気づいている子どもは(たぶん親も)少ない。にこばっかいはこの部分をみっちり練習してきたので、常に歩き続ける。この差がかなり大きかったと思う。
にこばっかいに続き、こばっかいもリーグ全勝で決勝トーナメント進出を決める。こばっかいのクラスメートも出ていたのだが(改造は私も手伝った)、惜しいところで決勝トーナメントに出損ねてしまった。そのリーグから3勝1杯で決勝トーナメントに出たマシンに土をつけたが、1試合は不運を耐えて引き分け、別の試合は慎重にやりすぎて勝てたはずの試合を引き分けの2勝2分だったのだ。操縦が上手な子だし、マシンはこばっかいと兄弟のマシン。決勝トーナメントまで出られればそれなりの成績はとれたはずなのに。ホントに残念。
■決勝トーナメント
タスカーは参加者が少なく、決勝トーナメントは3人。にこばっかいは抽選でシードを引き当てたので、最低でも準優勝が決定。決勝戦は、一度はいい形になったが、相手のマシンが重いのか押し切れずにいる間に形勢逆転。負けてしまった。優勝は逃したが……初めてのロボットセミナーで全国大会2位というのはできすぎ。
●タスカー決勝戦
ボクサーは、9人が決勝トーナメントに進出。こばっかいは、ほかの参加者のマシンを見て歩いておき、やばそうな相手をなるべく避けられるところを選んだらしい(抽選で順番に好きなところを選ぶという形式だったので)。ふだんは抜けまくりのくせに、こういうときだけ異様な注意力を発揮するヤツなのだ。
順調に勝ち進み、いよいよ決勝戦。ボクサーの決勝戦は2本先取が勝ちの3回勝負。結局、1回目、2回目ともに1分かからずに勝負を決めて優勝。満面の笑みになった。去年は、ぼんやりと相手のペースにはまり、勝てたはずの試合を引き分けにされて決勝トーナメント進出を逃し(今年のお友だちと同じようなパターン)、くやしい思いをしたので、今年こそはと思っていたらしい。我々から、「ボクサーはこれが最後。まだやりたいなら、来年はスパイダーにしなさい」と言われており、最後のチャンスでもあったし。
●ボクサーで優勝を決めた瞬間。相手のマシンが土俵から落ちた
このあと表彰式などがあって夕方解散。去年は表彰式前に抜けて学園祭を見て歩いたのだが(そして、そこでかわさきロボットを見て、その足から今年の改造のヒントを得た)、今年は時間も少ない上、お昼が軽すぎてお腹が空いてしまい、ロボット研究会だかの展示だけで引きあげた。
足の組み戻しを手伝ってくださったみなさん、ありがとうございました。おかげさまで失格せずに出場し、いい成績をあげることができました。お二人にはこばっかい自身からもお礼をさせましたが、学生さん、お一人は最後のバタバタで姿を見つけられず、お礼ができずに終わってしまいました。
●2008年11月3日追記
ボクサー決勝であたった子のおかーさんが書かれているブログを見つけたのでリンク。初出場の4年生、しかも親の指導・支援なしで準優勝はりっぱ。
ボクの夢はロボット博士-「ボクサーロボ全国大会!」
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コメント
いや~どきどきしながら読みました。
なんとかマシンチェック通ってよかったですね。
優勝&準優勝おめでとう!! (*^-^*)/
あ~楽しそう~早く無事高専受かってくれないかなっ
今、学校の授業(選択技術)でロボコンやってるそうです(!)
投稿: アンダンテ | 2008年11月 2日 (日) 19時50分
これはこれはいらっしゃいませ~
はいな、楽しいですよ。よくご存じのようにムラありまくりのこばっかいですが、この部分は濃いほうのムラですし(爆) なんかもう、ホント、この力をほかでももっと(以下略)
投稿: Buckeye | 2008年11月 2日 (日) 20時01分
ご紹介とリンクありがとうございます(ご紹介いただいているのでびっくりしました)。
うちのブログはご覧の通り子どもの作ったものを羅列している親バカブログですが、
ちょこっと、違う思いも込めています。
子どもとロボット教室に通ううち、子どもが友だちになったり、私の記憶に強く残ったりする子がいて、でもその子とは次回いつ会えるかわからない状態。
ブログで発信を続けていれば、いつかロボット好きの子どもたち同士の出会いの場所になるかもしれない・・・そんな気持ちで始めたブログでした。
Buckeyeさんのお陰さまで、そんな希望が一歩形になった気がします。ありがとうございます。
うちの方からも、リンクさせて頂いてよいでしょうか?
投稿: ただ | 2008年11月 3日 (月) 19時41分
リンク、もちろんかまいませんよ。
ここは基本的に私の趣味のブログなので子どものことはときどきしか出てきませんが、それでよろしければ。
子どもたちも中学くらいになると自分たちでやりとりするようになるんでしょうね。ネットのおかげで、そういうことが簡単にできるようになりましたし。
投稿: Buckeye | 2008年11月 3日 (月) 20時45分