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2008年10月25日 (土)

携帯用ヘッドホンアンプ(ダイアモンドバッファ付き)の製作-1(ケースの検討)

携帯用ヘッドホンアンプの製作」はけっこうな反響があった。なべさんとこでは、同じように作っている方から「高密度実装のお手本」なんて過分なお褒めをいただいたりして。

ほめられると木に登るタチなので、じゃあ、ダイアモンドバッファ付きの回路もトライしちゃおうかという気になってきた。どうせなら、少しでも音はいいほうがいいんだし、さ。

当初予定どおり、据え置きでダイアモンドバッファ付きの回路を作るつもりで、基板配線の図をいろいろと書いていたのだが、大きくするなら何をどう配置してもなんとかなる(発振などのトラブルを別にして、つなぐという意味では)。なら、なるべく小さくするように書いてみればうまいつなぎ方も思いつくだろうと、なるべく小さく書いてみることにしたっていうのもある。なお、回路はアイドル電流が少ないバージョン。外で電池切れになるのはイヤだし、電池をたくさん持ち歩くのもイヤだから。

最初になんとなく配置図を書いてみたら半分が15×9穴(1.27mmピッチ)となった。中心にOS-CONが来るようになっていたので、基板の真ん中をカットして……と思ったが、両側につながるLME49721の部分が無駄に広くなってしまう。LME49721の部分は小さくていいのに、OS-CON 2個の両サイドに広がる基板へつながなければならず、基板だけの部分が大きくできてしまうのだ。

OS-CONを外側に付けられるイメージで書きなおしてみたら、全体が16~18×15穴になった。これなら余裕で単四4本用ケースに入る。入力側もジャックにして(しかもいいヤツにして)、スイッチで3段階に切り替えるATTくらいまで組み込めそうだ。

ふと思った。

その余裕、全部削ったら、単四3本用電池ケースに入んね?

そう、LME49721、一発と同サイズのケースに。

●LME49721、一発の携帯用ヘッドホンアンプ

20081016_rimg0093

写真を見ればわかるが、LME49721、一発でもギリギリ。ここに大きな部品だけで、トランジスタ、8本+細かな部品を追加で詰められるのか。もちろん、無理に決まってる。決まってるんだが……じゃあ、基板部分だけ、両サイド(写真では上下)の電池との仕切りを削ったら? 電極付近だけでも仕切りがあれば電池は固定されるし、基板側に大きな力がかかることもないと思うので、削ることは可能だろう。写真左側は、ジャックとOS-CONの間にけっこうなすき間がある。写真右側は電池用電極が刺さっていたリブも残してあるのだが(白い配線を通すすき間が必要なので)、ここも削って、電線の厚みギリギリにすればあと0.5~1mm、スペースが得られるはず。

無理、無理という心の声を聞きつつ、幅12.5mm(左右の電池との仕切りまで使う幅)、つまり9穴以内で配置図を作ってみることにした。幅9穴以内で収まり、かつ、長さがなんとかなりそうなら……やってみるのも一興かと。

なお、幅12.5mmなら、穴数は10、使えるはずだが、あえて9とした。穴の外側まで部品がはみ出すことが多いからだ。特に今回はトランジスタというメタボなパーツがたくさんある。配線に10穴、使うと、両側の部品がつかえて電池が入らなくなるおそれがある。

1.27mmピッチのユニバーサル基板に部品をさし込み、部品同士がぶつからないギリギリの関係をチェックしつつ、回路図を実現してゆく。とにかく小さく。小型化を優先し、ジャンパーにしたほうが小さくなるならジャンパーにして、無理にラインを回さない。

そういう方針でパズルを解いてみた。

●配置図

20081025_rimg0127_2

全体が19×9穴でなんとかなるかも……。ジャンパーだらけだけど(^^;)

●1.27mmピッチのユニバーサル基板にトランジスタをさしてみた

20081025_rimg0126tr

1個所、トランジスタ同士が干渉するが(左側4個のうちの右側2個)、ここは少しずつ横にずらせばなんとかなるだろう。あと、トランジスタとダイオードがもろに干渉する。っていうか、写真を見ればわかるが、トランジスタ間にすき間なんてないに等しい。左側4個と右側4個の間には、LME49721と入力ATT用抵抗が入る部分。じゃあ、ダイオードはどこにって、トランジスタの下である。いわば2階建てというか、トランジスタ本体がひさしのように出っ張ってるところの下にダイオードが入るイメージ。KANさんの「nabeさんの高音質ヘッドホンアンプのトランジスタを交換してみる」にあった終段トランジスタを変えるというのが魅力的なのだが(外で使うと音量、大きめになりがちなので)、あのトランジスタだと2階建てにしたとき高さオーバーになりそうであきらめる。まあ、外で使うメインのイヤホンはSHUREのSE530-Jという遮音性が高く高効率のもの(119dB SPL/mW)だから大丈夫だろう。

基板部分のサイズは、24.5×12mm(部品も基板もだいたいこのくらい)

幅はギリギリで入るだろう。これが入るように配置を考えたんだし、さ。

問題は長さだ。

OS-CON    h = 12.0
ジャック   l = 6.0
配線の太さ φ = 1.5

電池ケース l= 58.5

基板+(OS-CON×2)+ジャック+(配線×2)
= 24.5+(12.0×2)+6.0+(1.5×2)
= 57.5

うーん、余裕、1mm。OS-CONと基板の間、どうしても少しすき間があくんだよなぁ。片側1mmくらい見ておきたい。つまり、ギリギリ入るかもしれないが、ビミョーに入らないかもってことか(--;)

もうちょい、余裕が欲しい。でも、基板とジャックはこれ以上、詰めようがない。OS-CONはh=9の2.5V 1000μにすれば6mmの余裕ができてOKになるが、これは音質に影響が出る可能性があるので最後の手段。あとは(配線×2)、か。上の写真で左側は、入力の2芯シールドと出力のL、R、GND、電源の+、-と6本の線が通る。太い2芯シールドは上を通すとしても、残りも全部、上を通すのは無理。一部は下を通して上に上げてこないといけない。つまり、1本分の幅はどうしてもとってしまう。ということは、右側のGND接続のラインをなくすしかない……そうか、基板からラインを2本だしてOS-CONの上、両側を通し、両側の電池につなげば、右側OS-CONの上をぴったり、ケースに押しつけられる。つまり、ラインの太さ1本分、1.5mmは余裕が出るってこと。これならギリギリ、なんとかなるか?

あと、入力のシールドをジャック部分で出力のGNDにつないでしまい、そこから1本でGNDを基板に持ってくる手はある。太い2芯シールドが中心2本と細くなる分、配線の取り回しに余裕が出る。出るんだけど、いくらヘッドホン用小出力バッファアンプのGNDとは言え、入力と出力をつないでしまっていいのか? サイズがあまりに小さくて入力と出力がすぐ近くを通ったりするのは避けられないから誤差範囲??? オーディオって、あんまり経験がないからよくわかんないんだよね~(--;)

とまあ、不確定要素というか不安要素というかはいろいろとあるが、とりあえず、スタートしてみよう。なべさんの「高品質な低電圧ヘッドホンアンプ(単3×2本)」、ダイアモンドバッファ付きの回路を単四3本用電池ケースに組む、というむちゃな上にもむちゃなプロジェクト。今度こそ失敗するかもしれないけど。

ここで思わず口をついて出た一言……「あえて言おう、アホウであると」

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■一連の記事へのリンク

「携帯用ヘッドホンアンプ(ダイアモンドバッファ付き)の製作」

  1. ケースの検討
  2. 部品配置の再検討
  3. 部品配置の再々検討
  4. 入力抵抗の影響
  5. 仕様の詰め
  6. 基板の製作
  7. ケース組込

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コメント

えいやっではなく、きちんと計算して詰め込もうとしている過程がとても面白かったです。詰め込みのプロですね(ぇ)。期待しています。

投稿: nabe | 2008年10月27日 (月) 01時30分

はい、詰め込み、得意です。中高生時代の試験はほとんど一夜漬けでしたし(違

  大学はさすがに一夜漬けでは対応しきれず苦労しました(^^;)

会社に入って最初に取らされた危険物取扱主任者は、試験1週間前になっても基本的なところさえ知らず、「ここは覚えとかないとまずいよ」と言ってくれた同期が落ちたのに、私は一夜漬けで通ってしまいました(もっと違

今回は参考になるモノが目の前にあって完成状態を明確にイメージできるので、計算が可能になりました。前作はとにかくやってみようという、えいやぁでしたけど。やっぱり現物があると、また経験があるとまったく違いますね。

投稿: Buckeye | 2008年10月27日 (月) 05時43分

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