『PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話』

3月15日の予定で、新しい訳書が出ます。『PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話』(文響社)というものです。

訳者あとがきにも書いているように、アニメーション企業ピクサーの舞台裏を中の人が描いた本です。やっぱり、舞台裏の話は読んでいておもしろい。訳していて、こんなにおもしろく、おもわずにやけながら仕事をしていたのは、『アップルを創った怪物―もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝』以来ですね~。

こういう本は、ノンフィクション作家(記者さんとかが多い)が綿密に取材して書くのが普通です。ノンフィクションですから、なにが起きたのかを描きだしていくのが基本。人によって意見や記憶が違えば、この人はこう言ってるけど、こっちの人は別のことを言っていると多面的に描くなどして、客観性を担保します。

この本は違います。中の人、当事者が書いているのですから。客観性などくそくらえの主観全開です(いや、もちろん、登場する人には改めて会って事実確認したりして書かれていますが)。心の声がダダ漏れ状態。だからおもしろい。ほとんど私小説の世界です。

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2019年7月18日 (木)

翻訳を勉強する会・番外編 「訳文による絵の描き方」-参加御礼+α

「翻訳を勉強する会・番外編 ― 訳文による絵の描き方」、無事終了しました。参加してくださったみなさん、ありがとうございました&お疲れさまでした。事務局として奔走し、スムーズな進行を実現してくださったお三方、ありがとうございました&お疲れさまでした。

ツイートまとめ
2019/07/14大阪 翻訳を勉強する会・番外編 実況ツイート #翻勉2019


事務局さよさんのブログ
「訳文による絵の描き方」(井口耕二さんセミナー「翻訳を勉強する会・番外編」)

前半2時間は、翻訳フォーラムのシンポジウムで話した内容やブログ記事に書いてきた内容を集大成したような形にしました。関西だと、私の話は初めてという人が少なくないはずですから。なんども聞きに来てくださっている方の顔もありましたが、あちこち、新ネタをできるかぎり混ぜ込んだので、聞くのが2度目、3度目という方にとってもそれなりの話になっていたのではないかと思います(思いたい^^;)。

後半1時間は、翻訳を勉強する会の事務局をされているお三方からいただいた訳文を使い、訳文をブラッシュアップするにはどうすればいいのか、訳文側できちんと絵を描くにはどのあたりを見ていくといいのかなどの話をする、ということになっていました。

このあたり、企画段階の話がさよさんのブログに書かれていたりするのですが( 「翻訳を勉強する会」番外編・裏話など)、これ、実は私にとってもすんごく怖い企画でして。だって、どういう原文が使われるのかも、どういう訳文が出てくるのかも、まったくわからない状態で、「訳文の公開検討会をやります~」と宣言するわけですから。私にとっても初のやり方なので、経験からなんとかなるでしょと思えることもありませんし。

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2019年6月 1日 (土)

翻訳を勉強する会・番外編 ― 訳文による絵の描き方

先日、大阪で勉強会をしている方々が東京出張版をされたとき、そちらの幹事さんからお声をかけていただき、7月14日(日)に、半日、大阪で話をすることになりました。

内容は、上記ページ(画像をクリックすると申し込みページに飛びます)にも書いていますが、今回の翻訳フォーラムシンポジウムで話したことの拡大版という感じになります。

シンポでどういう話をしたのかは、この勉強会の幹事、さよさんが上手にまとめておられるので、そちらを参考にしてください。

翻訳フォーラムシンポジウム2019・レポート1

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2019年5月29日 (水)

翻訳フォーラム・シンポジウム2019~足さない・引かない~

この週末は、毎年恒例となっている翻訳フォーラムのシンポジウムでした。記録的な猛暑のなか、来てくださったみなさま、ありがとうございました&お疲れさまでした。会場設営その他、運営のお手伝いをしてくださったみなさん、ありがとうございました&お疲れさまでした。物販に駆けつけてくださったみなさん、ありがとうございました&お疲れさまでした。

おかげさまで今年も盛況で、各地から翻訳者が160人くらいも集まり、12時から5時過ぎまで、今年のテーマ「足さない・引かない」を軸に、翻訳とは本来どうあるべきなのかを語り続ける会となりました。専門分野に関係なく、翻訳に共通する基本について、心に響いたものをなにか持ち帰っていただくことはできたでしょうか。

翻訳業界では、最近、機械翻訳の導入うんぬんに絡んで、あれこれ考えて足したり引いたりできるのは人間ならではある、翻訳は足したり引いたりしてなんぼ、というような意見を見るようになりました。対して我々は、原文と同じ絵を届けられる訳文にするため言葉を足したり引いたりするのは「足さない・引かない翻訳」である、逆に、字面で「足さない・引かない」を実現したがゆえに「足しちゃった・引いちゃった翻訳」になるケースもありうる、足し引きの判断はあくまで絵を基準にすべきだと考え、今年のテーマとして取り上げることにしました。

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2019年5月 9日 (木)

『つまずきやすい日本語』

millions、billions……」の記事に関連して、さきのさんから、「数百万ドルはかかる」という表現だと、せいぜい700~800万ドルで1千万ドルはかからないと理解する人がけっこういそうだという指摘がありました。

この場合の「は」は下限を意味する言葉であって、上限は特定されていません。つまり、上は無限まで含意することになります。表現としてはそういうことになりますが、それが実際どう理解されるのかということは(←翻訳で使う表現としてはこれが大問題)、また別の問題になります。

たしかに、下限を示す形っていうのは、そのあたりの数字だと思ってほしい、上限無限だってことに気づいてほしくないってときにもよく使うわけで、逆に言えば、そう理解する人がいてもおかしくないわけです。いや、一般に少なくないからそういう言い方が使われるとも言えるでしょう。

さらに、「日本語の「『数~』って、2~7、8くらいの数字がイメージされることが多く」についても、さきのさんから指摘が。自分もそう思うけど、「ヨノナカでは2~3なんだと言い張る人をたくさん知ってます」、と。

ですね~。

「数~」は、大きく分けて、2~3派、3~4派、5~6派といろいろいるようです。私は、基本的に、5~6派。でも、ほかの理解をする人がいるのは知ってますし、「数~」のカバー範囲はそれなりに広いとも思っているので、2~3派とか、ほかの理解をしている人とかいてもそれはそれだと思ってますけど。

それはともかく。

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2019年5月 8日 (水)

millions、billions……

某所で帽子屋さんから出てきた話題なんですが、思い出したことがあるので書いておきます。

millionsとかbillionsとかは、出てきたら、事実を確認しないとまずい表現です。millionは百万、その複数形だから数百万とは単純に言い切れないからです。

とにかく多いんだよって抽象的な意味合いのこともあるので、まずは、そういう意味なのか、具体的な数字をあいまいに表現しているのかの判断が必要です。

英語の場合、millionsとは、millionを使うのがふつうの数字全体をカバーします。辞書なら、ランダムハウス(100万以上10億未満)やジーニアス(100万台《100万以上10億未満》)に書かれているような数字です。たとえば、millions of dollarsと言えば、1.5 million dollarsかもしれないし、15 million dollarsかもしれないし、150 million dollarsかもしれないわけです。half a millionという表現もありますが、そこまで含むかどうかは微妙でしょうね(前述の辞書はどちらも排除している)。

で、ここからは私が何年も前に経験した話。

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2019年5月 7日 (火)

ノートパソコンの買い換え

ついでなので、去年秋のノートパソコン買い換えについても書いておきます。

それまで使っていたノートパソコンはPanasonic Let's Note(Windows 7 Pro)。丸7年使ったのですが、256GB HDDを1TB SSDに換装したので容量にはまだ余裕があるし、テキストを扱っている分にはスピードにも不満はありません(起動・シャットダウンも含めて)。バッテリーも、さすがLet's Noteでいまだに10時間くらいもつので関西などへの移動中にも不安なく作業ができます。

ただ、ふたを閉めてもオートスリープしなくなっていて、気づくとバッテリー残量が悲惨なことになっていたりするのが大きな問題。毎回シャットダウンするか、手動でHDDスリープすればいいんですが、電車内で作業していて、あわてて降りたりするとやらかすことがあって。あと、ケースが一部割れているとか、画面の解像度が1280×800で低いとか、wifiの規格が古くて遅いとか、がたいが大きくかさばるとか、細かな不満はいろいろとありまして。それなら、Windows7のサポート切れを契機にそろそろ入れ替えてもいいかな、と。ノートパソコンのOSをWin7→Win10にするのは、ドライバとかいろいろ不具合が出そうで怖いし。

というわけで、Windows 10のノートパソコンを買うことにしました。いろいろと悩み、目移りした結果、Dell XPS13を選択。ポイントは(↓)。

  • 1TB SSD
  • ディスプレイが4Kタッチパネル
  • 持ち運びやすい大きさと重さ。そのわりにディスプレイが大きい
  • Windows 10 Proが選択可能

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2019年5月 6日 (月)

コンピューターを複数台使う

少し前の記事にも書いたように、私は、デスクトップ2台(仕事用とSNS・メールなど用)+外出用ノートパソコンの3台体制を基本にしています。

ノートパソコンは位置づけが特殊ですから横に置くとして、デスクトップ2台を併用することについて、私が考えるメリット・デメリットをメモしておきます。

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2019年5月 4日 (土)

仕事用マシンの入れ替え――旧メインマシンを新サブマシンに移行

旧メインマシンは、しばらく前に火を噴いたサブマシンの後継としてサブマシンに降格します。

方針は……あわてることもないので、とうぶん、いまのまま使い、来年1月までのどこかでWindows10に移行、その際、SSDの容量アップをする(256G+500G→500G+1T)、と考えました。

2011年に組んだんでもう8年使ってるんですが、なにせ、プロセッサはCore i5 2500 3.3GHzだけどメモリは32G積んでるしフルSSDだしで、Windowsエクスペリエンスインデックスだって7.1(7.9が最高)。しかも、グラフィックス関連が足を引っぱる形でこの数値(仕事マシンなんだから高いグラフィックス性能はいらない。いまで十二分)。SSDさえ新しくすれば、もうあと5年、10年は使えそう。

……と思ったのに、4Kモニターをつないでみたところ、いまいちうまくありません。マウスの動きがどうにも不自然。調べてみると、現状のグラフィックスボード(NVIDIA GT640)でも4Kは出力できるけど、HDMIで4k@60HzはGTX950以上じゃないとだめ、なのだそうで。とうぜん、オンボードグラフィックスはもっと性能が低いわけで……。しかたがないので、グラフィックスボードだけGTX1050にグレードアップすることにしました。これなら補助電源がいらないので、消費電力という面でも発熱という面でもキューブ型で問題なく使えそうです。

GTX1050に差し替えてみると……まっとうに動きません。実は、だいぶ前、NVIDIAのグラフィックスドライバをアップデートしたら固まるソフトが出て、以来、順調に動いていたバージョンで固定しているのです。つまり、ちょっと古め。だから、GTX1050には対応していないということなのでしょう。

それならばとドライバを最新にアップデート。うん、きれいに4k@60Hzで表示できる(^^)vと喜んだのもつかの間、FireFoxもChromeも固まって動きません。いろいろやってみたのですが、どうにもならず、あきらめて、当分はWin7+GT640の旧構成で使い、Win10に移行する時点でGTX1050にしようと心を決めたところでトラブル発生。

起動しなくなりました(T_T)

BIOSさえ出てきません。そういうとき定番の対処法っていうのがいくつかあるんですが、なにをしてもだめ。ピッという音もしない。ファンなどは回るので、スイッチは入っているようなんですけどね~。正直、初めての経験なのですが、なにかやらかしてしまったようです。それとも、ほんとに偶然で壊れるタイミングだったのか。

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2019年5月 3日 (金)

仕事用マシンの入れ替え――ソフトウェア編

OSはWindows10 Pro。Homeでもいいっちゃいいのですが、アップデートを通知のみにできるのはProってことでこちらにしました(Homeも、アップデートを自動でなくする裏技があるらしい)。自動でされる設定だと、思わぬときにアップデートが始まり、仕事にならなくなって困ったりすると聞きますから。

最小構成でWindowsをインストール、マザーボード関連のドライバ類インストール、グラフィックスボードを挿してグラフィックスボードのドライバなどをインストール、回復ドライブ作成、と作業を進めます。

あとはその他必要なソフトウェアの導入やカスタマイズです。心覚えにメモっておきます。

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2019年5月 1日 (水)

仕事用マシンの入れ替え――購入編

私の場合、デスクトップマシンはいつも自作しています。そのほうが必要なもの「だけ」のマシンが組めるからです。特に昔は、いろいろくっついているとマシンが不安定になることが珍しくなかったりしましたしね。だから、周辺機器はなるべく少なくしていて、昔、私のマシンは、音源ボードをさしておらず、音が出ないとか、そんな状態でした。

最近は、マザーボードにたいがいなんでも組み込まれていて、そのあたりを考える必要はなくなっています。ただ、ここだけはぜいたくしようと思うところがあると、既製品は、いらん部分までいいものになってしまったりするので、いまだにいつも自作しているという感じです。正直な話、半分は趣味だと思いますけど(^^;)

パーツは、いつも、秋葉原のお店に行き、ずら~っと書かれたスペック表とかお店がなんだかんだと書いてくれている解説のメモとか見ながら適宜選んで買う、でした。今回もそうするつもりで秋葉原に行ったのですが……惨敗。

理由はいろいろあるのですが……

ここしばらくは、キューブ型のベアボーンキットというのを基本にしていました。なのですが、今回、最終的に4K×3枚にしようと思っているので、それなりのグラフィックスボードが必要、そうなると、ベアボーンキットでは電源が貧弱で、大容量の電源に買い換えないといけない。これがかなり高い。それくらいなら、一回り大きくなってもいいからほかにお金をかけようかと。そんなわけで、マザーボードの選択肢が広がったのですが……「方針編」に書いたように、SSDをM.2 NVMe×2枚にするというのがこれまた悩ましいらしく。わりと新しい規格だからか、これを2枚使おうとすると、排他性が出てしまって、使えないものが出てきたりとか、いろいろあるみたいなのです。初回はあんまり時間がなかったこともありますが、あれこれ見て、正直、どう組み合わせればいいのかよくわからずに帰ってきました。

2回目。行ったのは、パソコン工房 秋葉原 BUY MORE店というところ。

白旗あげて、お店の人に相談することにしました。

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